JazzとRockとLife Science

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ギャル曽根が心配

 大食いで最近テレビによく出るようになったギャル曽根。細い体でものすごいボリュームを食べる。先日の番組ではなぜあれほどの量を食べることができるかを検証していた。食べた後、胃が腹腔いっぱいにふくらんでいることがひとつの理由であった。胃腸の消化機能もかなり順応しているのだろう。しかし、驚いたのは、彼女はブドウ糖を飲んでもまったく血糖値が上昇しなかったことである。普通の人は食後30分もすれば、食べた中のブドウ糖が吸収され、また炭水化物(糖質を含む)が分解されてブドウ糖となり、血液中に増えてくる。このブドウ糖が筋肉や脳などすべての細胞の運動や機能発揮のためのエネルギーのもととなる。血糖値が上がってくると、これを検知する脳内のセンサーが働いて、私たちは満腹になったと感じる訳である。ところがギャル曽根は血糖値が上がらないので、いくら食べても満腹と感じない。彼女の姉妹も同じように大食いだというから、これは遺伝性の特質である。子供のころから満腹感を得られないまま際限なく食べ続けていたせいで、胃や腸が拡張し、消化吸収能力も適応したのだろう。よく調べないとわからないが、消化管がブドウ糖を吸収する、あるいは、ブドウ糖を吸収した細胞が血液中にこれを分泌するようなところで働く遺伝子に異常があるかも知れない(「異常」というのは、遺伝子の配列が他の大多数の人々とは一部異なるという意味で、それが良いとか悪いということではない)。もちろん本人が苦痛を感じている訳ではないので、病気とはいえないが。
 テレビでは彼女が低血糖症であるとは言わなかったので、血糖値を維持する機能は正常なのだろう。食後に一過性に血糖値が上昇する部分だけが異常のようである。私が心配なのは、彼女が最近頻繁にテレビで大食いをさせられていることである。まさか胃が破裂することはないと思うが、私の危惧はそこではなく、ブドウ糖以外の成分は食べた分だけ吸収されていることである。その中には当然コレステロールや脂肪が含まれる。腸管がそうしたものを過剰に吸収しないように適応している可能性もあるが、そうでなかったら、彼女の肝臓は脂肪肝になっている可能性がある。フォアグラの肝臓になるまで食べ続けるガチョウと同じである。コレステロールはよく知られているように動脈硬化の原因で、脳梗塞脳出血心筋梗塞などの原因となる。また、核酸(肉や魚の細胞内のDNAやRNA)のとりすぎは痛風の原因となる。彼女はにこやかに食べてはいるが、体にとっては危険なことである。年に1,2回の大食い大会なら良かったのかもしれないが、最近のようにしょっちゅう10kgも20kgも食べているのでは大変なことになるのではないか。
 いつも無邪気に食べ続けるギャル曽根が、視聴率至上主義のテレビ業界の犠牲者にならないようにと陰でただ祈るばかりである。