JazzとRockとLife Science

欧米の70年代とその前のロック、ジャズ、チープオーディオ、生命科学、などなど。

いやしの音楽 - eels

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全く考え方の違う相手、その考え方が了解できない相手、というか、少しは頭で考えてんのと言いたくなる要するにバカ(のくせに威張っている)ような相手と口論して、頭の中で罵り合いが収まらず、とても疲れたような時(大変具体的ですが)、部屋で一人で聴いてください。いらいらがすーっと引いていきます。それまでの怒りがそんなに大したことだったかな、とどうでもよくなります。私の場合は。。。
 Eelsは基本的にボーカルのEという人のバンドですが、その気負いのない歌声がいいです。96年のデビュー作、98年の2ndと詩のテーマは絶望と死ですが、それは彼の姉妹の自殺、母親の病気という重い体験によるものです。しかし曲の方は翳りはあるものの重くはなく、ほっとするような優しさに満ちています。この2000年のアルバムDaisies of the Galaxyでは、少し明るくなって希望が見える感じです。曲はバラエティーに富み、個々の曲の完成度も高くなっていて、Eの不安げではあるが優しい声がすうーっと入ってきます。とりたたて奇抜なアレンジとか印象的なフレーズとかはなく、単純でどこかで聴いたようなメロディーが多いですが、聴くと心が安まるのはそのせいかも知れません。ブラスやストリングスなどがさりげなく入っているのもとても美しい。もっとも美しい曲のタイトルがIt's a motherfuckerですから屈折した内容ではあります。
 心身が疲れた時、何だか寝付けない時なんかに役に立つ、近頃では貴重なロックミュージックのひとつです。Eelsは。